根と葉Ne to Ha 季節の便

Plate I. 畑の一株、上から下まで
Botanical skincare & herbal tea — Nagano, since 2014

根と葉 Ne to Ha

植えて、育てて、摘んで、瓶に詰める。スキンケアとお茶を、ひとつの畑で。

下へ、ゆっくり。根のほうまで。

Fig. 1七月の朝、いちばん上の花。

01 畑のこと

葉を見れば、土のことがだいたいわかる。

根と葉は、長野県の山あいで3.2ヘクタールの畑を耕している、小さな植物のレーベルです。ハーブを種から育てて朝のうちに摘み、その日のうちに干すか、蒸留するか、油に漬けます。

つくる量は、畑が決めます。雨の多い年は香りが穏やかになり、乾いた年は少し強くなる。その違いは揃えません。瓶ごとに収穫の年と、その年の天気を書いてお届けしています。

畑の広さ
3.2ha

三枚の畑。いちばん古い畝は十二年目。

育てている植物
24種

製品に使うのは、そのうち十四種。

摘みはじめる時刻
5:10am

七月の場合。露が乾く前に終えます。

Fig. 2 上の葉は小さく、
日によく当たる。

02 一株の一年

Echinacea purpurea三畝目の七番

Spring

春三月から五月

雪が消えたあと、地面すれすれに葉が開きます。去年の株の根元から、同じ場所に。背丈はまだ、指二本ぶんです。

4月12日 地温 9℃ くもり

Summer

夏六月から八月

花茎がいっきに立ち上がり、花びらは外へ反ります。中心の球には朝から蜂が来る。摘むのは、そのあとにします。

7月21日 気温 29℃ 晴れ

Autumn

秋九月から十一月

花びらが落ちて、種の球だけが残ります。葉は端から色を変える。株の力が、少しずつ根へ戻っていくように見えます。

10月3日 気温 14℃ 風あり

Winter

冬十二月から二月

地上は枯れて、茶色い軸に雪がのります。刈らずに残すと、小鳥が種を食べに来る。畑は静かで、根だけが起きています。

1月28日 地温 1℃ 雪

03 Herbarium

標本室

畑で育てて、製品に使っている植物の押し葉です。台紙をひらくと、栽培のメモが読めます。

  • カモミール / カレンデュラ / ヨモギ / レモンバーム
  • ラベンダー / ドクダミ / ローズマリー / 和ハッカ

Sheet 8 of 24. 残りの十六枚は、小屋の引き出しにしまってあります。畑に来た方にだけ、お見せしています。

04 Goods

畑から、棚へ。

瓶にも缶にも、収穫した年と畝の番号が書いてあります。

カレンデュラのオイルCalendula Face Oil

朝摘みの花を干して、米ぬか油に六週間漬けました。干し草に少しだけ柑橘を足したような香りで、さらりと伸びます。

¥4,95030 ml 収穫 2026・一畝目

葉のバームLeaf Balm

蜜ろうとヨモギの浸出油を練りました。手と爪のまわりに。

¥3,30040 g

朝の葉Morning Leaves

和ハッカとレモンバーム。朝の台所に、すっと通る香り。

¥1,98040 g 約20杯分

夜の根Evening Roots

カモミールと炒ったタンポポの根。麦茶に近い、丸い味です。

¥1,98030 g 約15杯分

ローズマリーの蒸留水Rosemary Hydrosol

小屋の銅の蒸留器で、一度に七リットルだけ取ります。

¥3,850100 ml

土間の石けんDoma Soap

四十日かけて枯らしました。ラベンダーがほのかに残ります。

¥1,65090 g

05 Harvest calendar

収穫ごよみ

11月の畑

カレンデュラの最後の花を摘みます。霜のあとでも、昼には開く。

根と葉の収穫ごよみ。月ごとの摘む時期と仕込む時期
植物

摘む干す・仕込む月をえらぶと、その月の畑の様子が読めます。

06 Plant by hand

あなたの畝

ひと押しすると種が落ちて、まだ名前のない植物が育ちます。押さえたままなぞると、そこに、つるが伸びます。つぼみは触れると開きます。

Fig. 6 方眼の畝、幅いっぱい

ここから下は、土の中です。

07 Under the soil

土の下にも、同じだけの庭がある。

一株の根は、地上の背丈よりも長く伸びます。根のまわりには菌糸が糸のように広がって、落ち葉を少しずつ土に戻していく。私たちが入れるのは、蒸留で残った葉と、近所の牧場の堆肥だけです。

耕すのは浅く、年に一度。十二年かかって、いちばん古い畝の土は、指でつまむとほろりと崩れるようになりました。

  1. −0.10 m表土落ち葉と堆肥。黒くて、湿った森の匂いがします。
  2. −0.35 m根の層細い根がいちばん多いところ。ミミズの通り道も。
  3. −0.60 m菌糸の層白い糸が根と根のあいだを、つないでいます。

08 Field notes

畑の記録

 晴れのちくもり 朝 2℃

初霜

ローズマリーの鉢を小屋に入れた。カレンデュラはまだ咲いている。凍った花びらが、昼には何ごともなかったように開く。この花には毎年、教えられる。

森下 葉子

 くもり 22℃

三畝目の草取り

取らずに残したシロツメクサの下だけ、土がやわらかい。今年はここで試しに草を残している。結果がわかるのは、たぶん三年後。

岩田 蒼

 快晴 29℃

蜂のあとで

朝5時10分に畑へ。カモミールは今日で終わり。籠ひとつで、干すと手のひらに乗るくらいになる。今年の香りは、去年より少し青い。

森下 葉子

 雨 8℃

根を掘る

株分けのためにヨモギを一株掘った。横に一メートルは走っている。引くと、畝の向こうの土がかすかに動いた。地面の下は、思ったよりつながっている。

岩田 蒼

09 Seasonal box

季節の便

三か月に一度、その季節に摘んだお茶と、肌のものをひとつ。手書きの畑の便りを添えて、お送りします。

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